2019.12.07

インカレ開幕直前!大会2連覇中の東京医療保健大学のキャプテン永田「日本一になるという強い気持ちをコートで全員が表現して絶対優勝します」

 12月9日(月)より、第71回全日本大学バスケットボール選手権大会が開幕する。開幕を2日後に控えた今、昨年のインカレ女子優勝校であり現在大会2連覇中の東京医療保健大学でキャプテンを務める永田萌絵選手にお話を伺ってきた。


 第1シードの東京医療保健大学は、今季の関東リーグで40分間ハードに戦い続けるバスケットで揺るぎない強さを見せ全勝優勝を達成した。しかしまだ成長段階にあり、インカレでもさらにレベルアップした姿を見せてくれるだろう。キャプテンを務める永田選手は、長崎県の長崎商業高校から、東京医療保健大学に進学。当時は全国的には無名選手であったが、大学進学後その才能が開花し、ユニバーシアードの代表やU23 3x3日本代表に選出されるなど大学女子バスケ界を代表する選手へと成長を遂げた。


 永田選手は今季のリーグ戦について、「リーグが始まる前に全勝優勝しようっていうことをチームで(目標に)立てて、リーグ期間中色々なことがあり全然楽に勝てた試合だけではなくて苦しい試合もあったんですけど、試合を重ねるごとにチームが良くなっていったという手応えはあって、リーグ期間中もチームがどんどんレベルアップしていったから全勝優勝という結果に繋がったんじゃないかなと思います。」と振り返る。

 試合を重ねるごとに成長したと感じている部分については、「苦しい時間帯に我慢してディフェンスやリバウンドを徹底していくというところと、相手に対応していくアジャストの部分、恩塚さんがいない試合もあったけど、その中でも自分たちでしっかり考えてプレイできるようになっていったかなと思います。」と話す。

 全勝とはいえ簡単な試合ばかりではなく、苦しい状況もあったと話す永田選手はその状況を乗り越えるために「練習がきつかったけど、練習中からみんなで声を出して鼓舞しあったりとか、そういう意識していたことが試合でもできるようになって乗り越えることができた」と評価する。

 さらに「白鷗大学のソハナ選手(3年/NO.20/C)や、拓殖大学のクンバ選手(2年/NO.23/C)のリバウンドのところが強く、そこのリバウンドはまだ課題だなと思っているので、今もインカレに向けて一番強化しているところです。」と課題を見つめた。

 また、キャプテンとしては、「エネルギーを自分も出すこと。ずっとエネルギーを出し続けることって難しいじゃないけど、シュートが入らなかったり、プレイが上手くいってなかったりしたら、エネルギーが落ちてしまう人とかも下級生には特にいるので、そういう子にもしっかりエネルギー出し続けるように声をかけたり、プレイで表現したりすることを意識しました。」とコメント。リーグ戦でもコート上でハードに戦い続け、チームメイトに声をかける姿が印象的だったが、その姿には永田選手のキャプテンとしての強い意識があったことがうかがえる。


 永田選手は今年の10月に中国で開催された『FIBA 3×3 U23ワールドカップ2019』に日本代表メンバーとして出場し、初優勝に貢献するなど世界大会でも活躍した。リーグ戦期間中ということでかなり過密なスケジュールの中であったことがうかがえる。永田選手はこの経験について、「海外の体の強い選手とその期間ずっとプレイしていたので、フィジカルな部分は鍛えられプラスになったかなと思いますが、帰国してすぐ白鷗大学との試合だったので、その時はちょっと体がきつかったんですけど、そういう状況でもしっかりコンディションを合わせていくっていうことは大事なことなんだなと感じました。」とプラスに捉えているようだ。永田選手といえば、この『FIBA 3×3 U23ワールドカップ2019』で披露したムーブが話題となったがそのムーブについては「ちょっと練習してました(笑)」と笑顔を見せた。

[写真]=fiba.com


 昨年インカレ女王に輝き2連覇を達成、今年は3連覇のかかる大会となるが3連覇は「あまり意識はしていない」と意外な回答。とにかくこの大会で優勝することが大切と話す。

 リーグ戦を終えてからのチームの雰囲気については「リーグ戦で優勝して慢心しているっていうのは全然なくって、インカレに向けてとにかくできることを全部やるというスタンスで、スタッフもプレイヤーも準備できているんじゃないかなと思います。」と準備に余念はない。

 最近恩塚監督より「『姿勢と態度』が大事だ」と伝えられたことから、インカレに向けて「ゲームに臨む姿勢というか苦しい時にどういう態度や姿勢でいるか、これが今一番大事にしていることです。」と精神面での意識の強化も抜かりない。

 昨年の優勝メンバーが多く残る中、「今年はキャプテンという立場なので、3年生になった時も上級生だから責任持ってやらなきゃとは思っていたんですけど、キャプテンになってもっとそれが増して、チームのことをすごく考えるようになりました。」と昨年から比較して心境に変化もあったようだ。

 ここまでの永田選手のお話からもキャプテンとしてチームのことをよく考えていることがうかがえる。では、永田選手自身にとってインカレはどんな大会なのかを尋ねると、「今までもすごく特別だなと思っていたんですけど、4年目になってそれがもっと大きくなって、やっぱり最後だし、このチームでできるのも最後で、学生としても最後でって全部が最後なのでしっかり力を出し切って、優勝という目標を手に入れたいなって思っています。」と最後の大会にかける想いが溢れた。


 チームメイトで同期の岡田 英里選手は、永田選手のプレイの注目ポイントと普段の印象について、「萌絵は、プレイはやっぱりドライブ、スピードのあるドライブやテクニックもあるのでそこは注目するところですけど、バスケではあんなにかっこいいのに、普段はまじで天然。まじで抜けてる・・・」と意外な一面を明かす。「普通に日常でイヤフォンを耳につけているのにイヤフォンを探してるとか(笑)天然を通り過ぎて怖い。」とコート上では姿勢やプレイでチームを引っ張るキャプテンだが、普段は抜けているというギャップがあるようだ。

 小学4年生の時に当時小学校でバスケを教えていた校長先生に誘われ、楽しそうだなと思ったことがきっかけでバスケットを始めたという永田選手。恩塚監督の元でバスケをしてみたいという気持ちと、自分が一番成長できる場所であると感じ東京医療保健大学に進学することを選んだ。最後の大会を迎えた今もその選択は正解だったと自信をもって話す。

 「日本一になるという強い気持ちをコートで全員が表現して、最後、みんなで頑張ってきてよかったねって言い合えるように絶対優勝したいです。」と最後にインカレの意気込みを話した。


▼永田 萌絵

(東京医療保健大学/NO.32/4年/173cm/PF/長崎商業高校)

昨年の第70回インカレ記念大会では、チームの主力として連覇に大きく貢献し大会MVP(最優秀選手賞)を受賞した。


▼岡田 英里

(東京医療保健大学/NO.14/4年/164cm/PG/明秀日立高)


▼大会ページ

https://jubf.jp/game/index/type/intercollege/y/2019/s/women

▼日程

2019年12月9日(月)〜15日(日)

▼会場

駒沢オリンピック公園総合運動場 体育館

エスフォルタアリーナ八王子

Writer
松本 さくら(マツモト サクラ)

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