2021.12.03

新潟医療福祉大学 学生コーチ 守屋健次郎「私の四年間」

来たる12月6日(月)より、国立代々木競技場第二体育館他にて

第73回全日本大学バスケットボール選手権大会が開幕します。

2年ぶりの有観客開催となる今大会、

各地区の注目校にコラムを執筆してもらいました。


初めまして。

新潟医療福祉大学男子バスケットボール部で学生コーチをしている守屋健次郎です。よろしくお願い致します。


執筆にあたって、私の新潟医療福祉大学での四年間を振り返ってみると、今でこそ学生コーチとしてAチームのアシスタントコーチという立場でやらせていただいていますが、今日までの出来事を少しばかり振り返らせていただきます。

拙い文章ではありますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。


私は高校卒業後バスケットボールを続けるつもりはありませんでした。

私は能代工業という伝統のある学校に所属し一年時にはウィンターカップ三位を経験するも二年時、三年時では県内で負けることが多く、勝つことの難しさを感じる三年間でした。高校二年時の途中からマネージャーになり、スタッフとしてチームに関わることになりました。練習の指示から雑用まで様々な仕事があり、やりがいを感じながらやらせていただきましたが、引退した時軽い燃え尽き症候群のような症状に陥りました。そのため大学ではバスケットボールに関わることはないなと考えていました。

しかし、もともと教員を目指していたこともあり、周りからの大学のバスケットボールを見ておいた方がいいというアドバイスを受け入れ、バスケットボール部に所属することを決めました。


一年時から学生コーチをしたわけではなく、トレーナー業や主務などの活動を経験する中で、コーチとしてチームに携わりたいと思うようになり二年時から学生コーチとして携わることになりました。私が入学した当初はチームとしての雰囲気やバスケットボールに取り組む姿勢など、決していいとは言えないチーム状況でした。私は経験したことがない環境に最初は戸惑い、学生コーチをしていく中で先輩を指導する立場となり人間関係でも悩みました。悩んだ時は、同級生の選手たちに相談をよくしていました。練習での立ち振る舞いやチームをどのようにしていくべきか真剣に話せる人が周りにいたことが私にとってすごく大きかったです。

三年時の四月に若月弘久監督が就任し、また新たにチーム作りがスタートしました。そのような状況の中、コロナウイルスの影響でチーム練習ができなくなりました。しかし、オンラインでミーティングやトレーニングを重ねるとともにチームの規律やどのようなチームになっていきたいのか、チームに所属している一人一人の存在意義とは何なのかなどを若月弘久監督が押し付けることなく、選手や学生スタッフに自ら考える機会を作っていただきました。今思うと一人一人が考え、発信することで選手、スタッフから当事者意識が芽生え、同じ方向を向いて取り組むことができるようになったと感じます。

北信越地区ではインカレ予選以外の大会が開催することができず、工夫をしながら活動をしてきた一年でした。インカレ予選の結果としては予選敗退で二年連続でインカレに行くことはできませんでした。この一年間我慢をしながらチームを支えてくれた選手四名スタッフ四名の四年生の方々に申し訳なくとても悔しい思いをしました。


最終学年となり、同期である四年生九人とオンラインでミーティングを重ね、今年はインカレで一勝するという目標を立てました。二年連続でインカレに出場できていない状況ではありましたが、四年生の選手たちの想いとしてインカレで関東、関西のチームを倒したいという思いが強く、インカレで勝てるようなチームになりたいという目標を常に持ち活動してきました。

就活や公務員試験、教員採用試験などで練習を抜けることも多々ありましたが、インカレ予選にはしっかりと間に合わせ、インカレ予選を勝ち抜き、三年ぶりにインカレの出場をつかみ取りました。私は四年生になり、練習も少し任せてもらえるようになりました。コロナ禍でチーム活動ができない中インプットしてきた知識をチームにアウトプットしてはフィードバックをして、もっと良くなるためには何が必要なのかを考え、改善しながら活動してきました。今年から取り入れたのが練習前のミーティングです。前日のゲームのフィードバックや課題などをフィルムを用いて一緒に理解を深めていく時間を去年よりも多く作るようにしました。そして去年はできなかったスカウティングもすることができ、去年よりもかなり自信をもって臨むことができました。


ここで私がコーチングをしていく中で意識していることを二つほど書きたいと思います。

一つ目は対応をするということです。コーチをやり始めの時はその瞬間に起きたことにただ反応してしまっていました。なぜそれが起きたのか、どのように対応すればいいのかとい言う点が欠けて感情的になっていました。様々なコーチのお話や選手を指導していく中で目の前で起こっていることだけではなく、起こってしまったそれまで背景などから、どのように対応するのかという解決策を導くことが自分の仕事ということです。

二つ目は選手に対して期待をするということです。これは現監督である若月弘久監督の考えに大きく影響された部分です。二年時の私はある選手に対してこの程度だろうと私から限界値を決めつけていた時がありました。しかし、若月弘久監督は校長先生をやってきた経験からどんな選手でもこちら側から期待をかけなければ成長はしない、特に落ちこぼれと呼ばれる生徒は尚のことだと教えてもらいました。私はそこでハっとさせられ、今まで選手の限界を決めていたのは自分自身であったと深く反省し、これからにいかそうと思いました。どのように期待をし、どのようなコーチングをしていけばより選手の力を引き出していけるのかという部分を若月弘久監督から学びながら実践をしているところです。できていない部分だけを見ていた二年時とはまた大きく異なったコーチングスタイルになったと思います。


インカレでは関西2位の近畿大学との対戦ですが、四年間の想いと積み重ねてきたもの忘れず、地方の大学でも戦えるという姿を見せたいと思います。


最後になりましたが大会開催に携わっていただいた皆様、これまで支えてくださった皆様、このような機会を与えてくださった全日本学連の関係者の皆様に感謝申し上げます。


新潟医療福祉大学の初戦は

12月6日(月) 10時〜 @国立代々木競技場第二体育館

vs近畿大学


チームにエネルギーを注ぐ学生コーチと共に、4年間の思いをコートにぶつける彼らの戦いに注目したい。

Writer
西尾 知夏(ニシオ チナツ)

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