2025.03.14

【李相佰盃強化合宿レポート#3】男子第1次強化合宿3日目

第48回李相佰盃 日・韓大学代表バスケットボール競技大会に向けた男子日本代表チームの第一次合宿が折り返しを迎えた。合宿序盤から選手たちの連携や戦術理解は着実に深まり、実践的な対人練習を重ねることで攻守の精度が向上している。それに伴い、練習の雰囲気も一層引き締まり、コーチ陣の指導もより細かい部分にまで及ぶようになった。厳しさの中にも選手たちの成長を促す声が飛び交い、各自が自らの役割を模索しながら、より高いレベルでのプレーを目指している。




選抜チームの中で求められる役割とは


代表選考に集まった選手たちは、それぞれの大学でエースとして活躍し、特筆すべきスキルを持つ実力者ばかりだ。しかし、代表チームでは個々の強みを活かしながらも、チーム全体としての機能性を高めることが求められる。そのため、各選手が自チームでの役割とは異なる役割を求められる場面も少なくない。


大舘秀太選手(PF/200cm/東海大学九州)は、昨年のインカレ(全日本大学バスケットボール選手権大会)で平均24得点を記録するなど、スコアリング能力の高さが光る選手だ。しかし、代表チームでは「自チームでは点を取ることが役割だが、ここでは周りのレベルが高いので、3Pシュートと走ることが自分の役割になる」と語る。さらに、所属チームでは主に4番・5番ポジションを務めるが、今回の合宿では網野HCから3番としてのプレーも求められている。「サイズがあるので、ミスマッチになった際にペイントエリアへ侵入し得点を取れることが武器。その部分を活かしていきたい」と、新たな挑戦に意欲を見せる。





合宿を通じて成長する選手たち


本日19歳の誕生日を迎えた深澤桜太選手(C/200cm/中央大学)は、チームメイトからの祝福を受け、「こんなに大勢に祝ってもらったのは初めてで、とても嬉しかった。不思議な気持ちだった」と笑顔を見せた。自身の強みについて「アグレッシブな動きやコート全体を走る力をコーチ陣に評価されたので、その部分をしっかりアピールし、次の合宿に残れるように頑張りたい」と、今後のステップアップを見据えている。



また、ウィリアムスショーン莉音選手(PF/197cm/白鷗大学)は、代表チームのスタイルに適応する難しさを痛感しながらも、課題を明確にしていた。「白鷗では自分が得点を狙いに行く役割ではないため、リングを見る意識が弱い。代表チームでは攻撃的なプレーが求められるので、しっかりリングを意識してプレーすることが課題だ」と振り返る。さらに、「ビッグマンの中では機動力とディフェンスのプレッシャーを継続できる点が強み。そこを活かしつつ、攻める意識をもっと高めていきたい」と、合宿後半戦への意気込みを語った。





リーダーとしての成長


スピードのあるドライブが持ち味の新井楽人選手(SF/190cm/日本大学)は、自身の役割について「トランジションプレーとディフェンスの強度を発揮することがチームの勝利につながる」とコメント。先月、関東大学バスケットボール連盟の主催で行われた台湾遠征ではキャプテンを務めた。キャプテン経験は少ないものの、遠征時には「率先して声を出し、チーム全体の状況を見ながら、何ができていて何が足りないのかを考えることを意識していた」と振り返った。今合宿でもプレーだけでなく、最上級生として台湾遠征で培ったキャプテンシーを発揮している。





残りの合宿でさらなる進化を


合宿後半に向け、選手たちは自身の武器を最大限に活かしながら、選抜チームで求められるプレーへの適応を進めている。チーム内での競争は激しさを増し、それぞれが次のステップに進むために何が必要かを模索しながらプレーしている。

Writer
佐藤 望月(サトウ ミヅキ)

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